2003年度から大学でマンガを教え始め、数百人の美大生に課題でマンガを描かせたところ、マンガは専門外のファインアートやデザイン学科の学生から、ちらほらとユニークな作品が上がって来ました。そこには従来の商業マンガの概念を覆すような形式・手法の作品もあり、中には、枠線と文字だけで構成された「絵のないマンガ」としか言いようのない作品までありました。「大学でマンガを教える」と言ったとき、そこには本来、マンガの本質について、さまざまな原理的研究と考察がなされるべきだと思います。特に「未来のマンガ」について研究するとき、発表形式や技法についてつねに「別の形式がありうるか」を考えることは、重要だと思います。こうした作品を商業誌に掲載するのはリスクが高いので、電脳マヴォでコーナーを作ることにしました。このコーナーでは、学生作品を中心に、従来のスタイルにこだわらない、新しい「漫画のかたち」を模索した作品、漫画表現の本質を追求した作品を紹介していきます[竹熊]

電脳マヴォ 今週のトップ10